Poco X7 Proレビュー:近いようで遠い

Sulaiman Aarbi

Poco X7 Proレビュー:近いようで遠い

Poco X7 Pro はその難関をクリアした数少ない一台かもしれない

2025年のスマートフォン市場は、もはや「海」ではなく「深海」と言ったほうが適切だ。 毎月のように世界中のメーカーが数十モデルを投下し、価格帯も1万円台から20万円超まで隙間なく埋め尽くされている。 そんな中で「すぐに忘れられる端末」ではなく、「記憶に残る端末」を作るだけでも立派な成果だ。 さらに「明確に目立つ」存在になるには、ハードウェアとマーケティングの絶妙なバランスが要求される。 それをここ数年、ほぼ毎回やってのけるのが、Xiaomi傘下のサブブランド Poco である。

そして2025年1月に発表された Poco X7 Pro は、価格が3万円台後半〜4万円台前半という「ミドルレンジ」でありながら、 「これ、本当にこの値段でいいの?」と二度見してしまうほどの完成度を見せつけてきた。

筆者は発売日から約3週間、この端末をメインスマホとして使い倒してみた。 結論から言えば—— 「ソフトウェアさえ我慢できれば、2025年上半期の最強コスパスマホ候補の筆頭」 それくらい強い端末だ。

以下、徹底的に詳しくレビューしていく。

デザイン&ビルドクオリティ:プラスチックなのに「高級感」がある不思議

主なスペック

  • 厚さ:8.29mm
  • 重量:195g(実測194.5g)
  • 素材:背面は「ビーガンレザー風テクスチャードプラスチック」+フラットサイド
  • 前面:Gorilla Glass Victus 2
  • 防水防塵:IP68(Poco史上初)

2025年のミドルレンジはデザインの振り幅が極端だ。 去年のモデルと全く別物になることも珍しくない。 その点、Poco X7 Proは「X6 Pro」とは完全に別路線に振ってきた。

最大の特徴は背面素材。 「ビーガンレザー」と呼んでいるが、要は「細かいシボ加工の入ったプラスチック」だ。 しかしこれが驚くほど気持ちいい。 指紋が全く付かず、夏場でもベタつかず、そして何より握った瞬間に滑 falling しない。 ガラス背面のフラッグシップがテーブルからスルッと滑り落ちるのに対し、X7 Proは逆に吸い付くように手に収まる。

試供機は「イエロー×ブラック」のツートンカラーで、まるでライカのレンジファインダーカメラのようなデザイン。 他に「グリーン」と「ブラック」もあるが、特にイエローは実物を見ると「安っぽくない」のが驚きだ。

重量195gはスペック上では「ちょっと重いかな?」と思うが、実際手にするとバランスが絶妙で片手操作も苦にならない。 側面がフラットになったことで、非ProのX7よりもホールド感が段違いに向上している。

そして最大のサプライズがIP68対応。 Poco史上初の正式な防水防塵対応だ。 これだけでも「3万円台でIP68」は2025年現在でもかなりレアである。

正直、ここまでのデザイン・質感・実用性の高さは、5〜6万円クラスの端末と間違えるレベルだ。

ディスプレイ:ミドルレンジとは思えない高品質パネル

  • 6.67インチ 1.5K(1220×2712)AMOLED
  • 120Hz可変リフレッシュレート
  • HDR10+対応
  • 最大輝度:手動700nit / HBM 1800nit(公称)
  • Gorilla Glass Victus 2

Xiaomi系の端末はいつも「画面が強い」。 Poco X7 Proも例外なく「素晴らしい」の一言。

1.5K解像度は1080pより明らかにシャープで、文字もアイコンもくっきり。 AMOLEDらしい漆黒の黒、発色の良さ、視野角の広さは文句なし。 色温度はデフォルトでやや暖色寄りだが、設定で簡単に調整可能。

120HzはLTPOではないが、可変駆動に対応しており、静止画時は1Hzまで落ちるため電池持ちにも貢献している。 ゲームはほとんどのタイトルが60fps上限なので、120Hzの恩恵は主にUIの滑らかさで感じるが、それでも十分に「速い」。

屋外視認性も優秀。 直射日光下でもほとんど見えなくなることはなかった。

唯一の弱点は最低輝度が明るすぎること。 真っ暗な寝室で読書をすると目が疲れる。 こればっかりはソフトウェアアップデートで改善してほしいポイントだ。

ステレオスピーカーも搭載。 音量はかなり大きく、YouTubeやNetflixをケースなしで観るのに十分。 低音はさすがに薄いが、ミドルレンジとしては上位クラス。

性能:2025年ミドルレンジの新基準を打ち立てたDimensity 8400 Ultra

  • SoC:MediaTek Dimensity 8400 Ultra(4nm)
  • AnTuTuスコア:約1,050,000点(実測1,048,773点)
  • RAM:8GB / 12GB(LPDDR5X)
  • ストレージ:256GB / 512GB(UFS 4.0)

2025年のミドルレンジSoC戦争は完全にMediaTekの独壇場になりつつある。 Snapdragon 7+ Gen 3を完全に超えたのがこのDimensity 8400 Ultraだ。

日常使いはもちろん、原神(最高画質+60fps)も余裕で安定。 PUBG MobileはHDR+極限で90fps安定。 発熱も驚くほど抑えられており、30分原神をプレイしても本体温度は41℃程度。 冷却システムが本気で効いている。

ベンチマーク実測値(12GB/512GBモデル)

  • AnTuTu v10:1,048,773点
  • Geekbench 6:シングル1512 / マルチ4288
  • 3DMark Wild Life Extreme:ストレス99.8%(温度42℃)

正直、2024年のフラッグシップ(Snapdragon 8 Gen 2レベル)とほぼ同等かそれ以上。 2025年のミドルレンジがここまで来るとは、正直恐ろしい。

カメラ:ミドルレンジで「十分すぎる」画質

構成

  • メイン:50MP Sony IMX882(f/1.5, OISあり)
  • 超広角:8MP(f/2.2)
  • フロント:20MP

「余計なカメラを捨てて、メインカメラに全振りした」のが正解だった。

メインカメラは同じIMX882を搭載するPoco X7よりも、強力なISPのおかげで明らかに画質が上。 昼間の写真は解像感が高く、過度なシャープネスも抑えられている。 色乗りも自然で、Xiaomi特有の「ドギツイ赤」や「毒々しい緑」はほぼ皆無。

夜景もNightモードを使えば驚くほど明るく撮れる。 ダイナミックレンジも広く、明暗差の激しいシーンでも破綻しにくい。

超広角は正直「緊急用」。 歪み補正は頑張っているが、周辺画質の落ち込みは顕著。 夜間はノイズだらけになるので、昼間限定と考えたほうがいい。

インカメラは20MPで美肌加工が控えめ。 自然な肌色で、自撮り好きにも好評だったのは意外だった。

動画はメインカメラで4K60fps対応。 手ブレ補正も強力で、歩き撮りでもかなり安定している。

カメラに1円も追加投資したくない人には最高の選択肢だ。

バッテリー&充電:6000mAh + 90Wの暴力

  • 容量:6000mAh
  • 90W急速充電(付属充電器同梱)
  • 実測充電時間:0→94%で27分、フル充電37分

6000mAhは2025年現在でも「デカい」部類。 実際の電池持ちは驚異的だ。

実利用例(12GBモデル)

  • 朝7時100%スタート
  • 通勤中YouTube 1時間、SNS、カメラ多用、ゲーム30分、テザリング2時間
  • 夜23時時点でまだ38%残存 → スクリーンオンタイム約9時間半

PCMark Work 3.0バッテリーテスト:15時間23分 これは2025年スマートフォン全体でもトップクラス。

90W充電も速い。 朝起きて「ヤバい、20%しかない!」という時でも、シャワー浴びてる間に70%まで回復する。

ソフトウェア:最大のウィークポイント

  • OS:Android 15 + HyperOS 2.0
  • アップデート保証:OS 3回+セキュリティ4年(発表済み)

ここが唯一の「我慢ポイント」だ。

HyperOSは相変わらず

  • 通知領域とコントロールセンターが分離(iPhoneそっくり)
  • プリインストールアプリが大量
  • 一部のシステムアプリに広告表示
  • 2つのアプリストア、2つのブラウザ、2つのギャラリー…

広告は設定でほぼ非表示にできるが、完全にゼロにはならない。 人によっては「3万円台なら許せる」、人によっては「絶対に嫌だ」となる分水嶺。

ただしパフォーマンス自体は非常に軽快で、 アニメーションも滑らか、メモリ管理も優秀。 「使っていてモタつく」ことは皆無だ。

価格とライバル比較

Poco X7 Pro 価格(2025年11月時点)

  • 8GB/256GB:£309(約58,000円)
  • 12GB/512GB:£349(約65,000円)←断然こっちがお勧め

同価格帯の強力なライバル

  • Motorola Edge 50 Neo:カメラとソフトウェアが上、サイズが小さい
  • Nothing Phone (3a):ソフトウェアが圧倒的にクリーン、デザインが個性的
  • Samsung Galaxy A56:ブランド力と長期サポート

結論:買うべきか?

買って間違いない人

  • コスパ最優先
  • ゲームもカメラもある程度欲しい
  • バッテリー持ち命
  • 広告やプリインアプリは我慢できるor消せる

避けたほうがいい人

  • 広告ゼロ、クリーンなソフトウェアにこだわる
  • 超広角カメラを多用する
  • コンパクトな端末が欲しい

2025年現在、6万円以下でこれだけのスペックと実用性を兼ね備えた端末は他に存在しない。 ソフトウェアのクセを許容できるなら、迷わずPoco X7 Proを買え。 それくらい強い端末だ。

総合評価:9.1/10

(ソフトウェアがあと2点マシなら9.5は堅い)

Pocoはまたやってくれた。

2025年も「コスパの王者」の座は揺るがないようだ。

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