HP OmniBook Ultra 14 レビュー:パワフルで実用的なウルトラブック

Sulaiman Aarbi

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HP OmniBook Ultra 14 レビュー

HP OmniBook Ultra 14は、ミドルサイズで手頃な価格のWindowsウルトラブックとして、優れたパフォーマンスを提供することを目指しています。このデバイスは、AMDの強力なRyzen AI 9 365チップ、高解像度の2.2K IPSタッチスクリーン、32GBのRAM、1TBのSSD、そして68Whrの大容量バッテリーを搭載しています。このレビューでは、競争の激しいウルトラブック市場でのHP OmniBook Ultra 14のパフォーマンスを、日本市場向けに詳しく評価します。

主な特徴

  • AMD Ryzen AI 9 365搭載: 高性能なAPUにより、卓越した処理速度を実現。
  • 14インチ2.2K IPSタッチスクリーン: 高解像度で鮮明な表示を提供し、タッチ操作にも対応。
  • 68Whrバッテリー: 最大2日間の作業が可能な長持ちバッテリー。

デザインとキーボード

堅牢で洗練されたデザイン

HP OmniBook Ultra 14は、シルバーのメタルシャーシを採用し、プレミアム感を演出します。デザインはモダンで頑丈ですが、Asus Zenbook S 14 OLEDのような競合モデルと比較すると、やや一般的な印象を受けます。14インチスクリーンの周囲のベゼルがやや太めで、デザインの洗練さを最大限に引き出せていない点が惜しまれます。

ポートの選択肢が限定的

ポート構成は、右側にThunderbolt 4対応のUSB-Cポート2つ、左側に3.5mmヘッドフォンジャックとUSB-Aポート(カバー付き)を備えるのみで、競合他社と比較して物足りなさを感じます。特に、HDMIや追加のUSBポートを求めるユーザーには不便かもしれません。

快適なキーボードと大型トラックパッド

キーボードはコンパクトながら、大きなキー文字と便利なファンクションキー列を備えています。MacBook Airのようなクリスピーな打鍵感はありませんが、短めで軽快なキーストロークで素早くタイピングが可能です。白色のバックライトも搭載され、暗い環境での作業に便利です。トラックパッドは広めで、反応性も良好、快適な操作感を提供します。

ディスプレイとサウンド

高解像度で実用的なディスプレイ

14インチの2.2K(2240×1400)IPSスクリーンは、60Hzのリフレッシュレートを備え、鮮明な表示を提供します。16:10のアスペクト比は、縦方向のスペースを活用した作業に適しています。ただし、競合他社のOLEDスクリーンや高リフレッシュレートのディスプレイと比較すると、やや見劣りします。

色域のカバレッジは、sRGBで100%と生産性作業に十分ですが、Adobe RGB(77%)とDCI-P3(79%)は80%未満で、色に敏感なクリエイティブ作業には向きません。輝度は最大400ニト(実測353.2ニト)で、屋内外での使用に十分な明るさを提供します。黒レベルは0.08で、IPSパネルとしては深みがあり、コントラスト比1720:1も良好ですが、OLED搭載モデルほどの鮮やかさはありません。

サウンドの課題

上向きに配置されたスピーカーは、柔らかい表面でも音がこもらない設計です。しかし、音質はやや薄く、カジュアルなリスニング以外には不向きです。音楽や動画鑑賞を重視するユーザーには物足りないかもしれません。

パフォーマンス

強力なRyzenプロセッサ

AMD Ryzen AI 9 365チップは、10コア20スレッド、最大5GHzのブーストクロックを誇り、生産性作業から高負荷タスクまで幅広く対応します。Geekbench 6やCinebench R23などのベンチマークテストで、競合のIntel Core Ultra 200V Lunar Lake搭載モデルを上回るマルチコア性能を示しました。

統合GPUと高速ストレージ

Radeon 880M統合グラフィックスは、カジュアルなゲーミングや高負荷タスクをサポートし、Snapdragon X Elite搭載モデルやDell XPS 13(2024)よりも優れたパフォーマンスを提供します。32GBの高速DDR5 RAMは、マルチタスクや高負荷作業に十分な余裕を提供。1TB SSDは、読み込み速度7158.42 MB/s、書き込み速度6467.55 MB/sと、ゲーミングノートPC並みの高速性を誇ります。

ソフトウェア

Windows 11とHP専用アプリ

Windows 11を搭載し、McAfeeアンチウイルスやHP Support Assistantなどのプリインストールアプリが含まれます。HP Support Assistantは、システムの状態(コンポーネント使用率、バッテリー健康状態、ストレージ使用量など)を確認するのに便利です。また、HPのAI Companionアプリは、ライティング支援やビデオ会議向けのノイズリダクション、自動フレーミング機能を提供します。

Copilot+ PC機能

Copilot+ PCとして、MicrosoftのAIツールを活用可能。Copilotアシスタントや、PhotosおよびPaintアプリでの生成AI機能が利用できます。ウェブカメラ用のWindows Studioエフェクト(自動フレーミング、背景ぼかし、視線補正)は特に実用的です。議論を呼んでいるRecall機能は現時点では未搭載ですが、今後のアップデートで追加予定です。

バッテリー寿命

長時間の駆動時間

68Whrの大容量バッテリーを搭載し、PCMark 10 Modern Officeテスト(輝度150ニト)で15時間の駆動時間を記録しました。これは、Samsung Galaxy Book5 Pro(約15.5時間)には及ばないものの、約2日間の作業をカバーする十分な性能です。65W USB-C充電器を使用し、0%から50%まで42分、フル充電まで1時間半と、充電速度もまずまずです。

購入すべきか?

こんな人におすすめ

  • 高いパフォーマンスを求めるユーザー: Ryzen AI 9 365チップは、同価格帯のウルトラブックの中でも優れた性能を発揮。高い処理能力を求める方に最適です。

こんな人には不向き

  • 豊富なポートを求めるユーザー: ポート数が少なく、USB-C、USB-A、ヘッドフォンジャックのみ。HDMIや追加ポートが必要な場合は他のモデルを検討してください。
  • OLEDディスプレイを重視するユーザー: 2.2K IPSスクリーンは実用的ですが、OLED搭載モデルに比べると鮮やかさに欠けます。

総評

HP OmniBook Ultra 14は、優れたパフォーマンス、まずまずのバッテリー寿命、使いやすいディスプレイを備えた優れたウルトラブックです。しかし、ポート数の少なさや平凡なデザイン、OLED非搭載により、Samsung Galaxy Book5 ProやLenovo Yoga Slim 7i Gen 9 Aura Editionといった競合モデルに対してやや見劣りします。それでも、堅実な選択肢として、日本のビジネスユーザーやパフォーマンス重視のユーザーに適しています。

仕様

  • バッテリー: 68Whr
  • 駆動時間: 15時間
  • 接続性: Wi-Fi 7、Bluetooth 5.4
  • コンバーチブル: いいえ
  • CPU: AMD Ryzen AI 9 365
  • ディスプレイ技術: LCD(IPS)
  • フロントカメラ: 9MPウェブカメラ
  • GPU: AMD Radeon 880M
  • メーカー: HP
  • OS: Windows 11
  • ポート: 2x USB-C、1x USB-A、3.5mmヘッドフォンジャック
  • RAM: 32GB
  • リフレッシュレート: 60Hz
  • 解像度: 2240 x 1400
  • スクリーンサイズ: 14インチ
  • スクリーン技術: IPS
  • サイズ: 227.6 x 315.1 x 16.4 mm
  • ストレージ容量: 1TB
  • タッチスクリーン: はい
  • 重量: 1.57kg

購入すべきか?

HP OmniBook Ultra 14は、パワフルなRyzen AI 9 365チップと優れたバッテリー寿命を備えた実用的なウルトラブックとして、日本のビジネスユーザーやマルチタスクを重視する方に適しています。しかし、ポート数が限定的でOLEDディスプレイを搭載していない点は考慮が必要です。デザインや多様な接続性を求める場合は、他の選択肢を検討するのも良いでしょう。このラップトップは堅実な性能を提供しますが、ニーズに合った仕様を慎重に比較してください。

HP OmniBook Ultra 14の長所と短所

HP OmniBook Ultra 14のレビューとさまざまな技術ソースからの追加情報に基づいて、AMD Ryzen AI 9 365を搭載したこのウルトラブックの強みと弱みをバランスよくまとめました。このデバイスはパフォーマンスと耐久性で優れていますが、デザインと機能面でいくつかの妥協点があります。

長所

  • 優れたパフォーマンス: Ryzen AI 9 365プロセッサ(10コア、最大5GHzブースト)は、Cinebench R23などのベンチマークでインテルLunar Lake対抗モデルを上回るマルチスレッド速度を提供。32GB DDR5 RAMと高速1TB SSD(読み込み/書き込み速度7,000 MB/s超)により、生産性、マルチタスク、軽いクリエイティブ作業に最適。
  • 優れたバッテリー寿命: 68WhrバッテリーはPCMark 10テストで最大15時間(または約2日間の作業)持続し、効率的なAMDチップのおかげ。65W USB-Cで50%を42分で充電可能。
  • 頑丈で携帯性のあるデザイン: 1.57kg、16.4mmのアルミニウムシャーシはプレミアム感があり、快適なキーボード(軽快な打鍵感、バックライト付き)と反応性の高い大型トラックパッドを備える。
  • 日常使いに適したディスプレイ: 14インチ2.2K(2240×1400)IPSタッチスクリーンはシャープなディテール(sRGB 100%カバー率)、良好な輝度(353ニト)、16:10アスペクト比を提供し、屋内作業やカジュアルなメディアに適している。
  • AI対応機能: Copilot+ PCとして、ビデオ通話用のWindows Studio Effectsや、ノイズリダクションとテキスト生成をサポートするHP AI Companionなどの便利なツールが利用可能。55 TOPSのNPUはAIタスクでの将来性も確保。
  • 優れた統合グラフィックス: Radeon 880Mはカジュアルなゲーミング(1080p低~中設定で30fps)をSnapdragonや一部インテル製品より優れたパフォーマンスで処理。
  • Thunderbolt 4サポート: AMDラップトップでは珍しく、2つのUSB-Cポートで高速データ転送、充電、外部ディスプレイが可能。

短所

  • 限られたポート選択: USB-C(Thunderbolt 4)2つ、USB-A(カバー付き)1つ、ヘッドフォンジャックのみで、HDMIやイーサネットはアダプターなしでは利用不可。Lenovo Yoga Slim 7iのような競合と比べると物足りない。
  • 平凡なディスプレイ: 機能的ではあるが、60Hz IPSパネルはAsus Zenbook S 14のような競合のOLEDスクリーンに比べ、鮮やかさ(コントラスト1720:1)や高リフレッシュレートに欠ける。屋外では暗く、色に敏感な作業には不向き(Adobe RGB 77%)。
  • ありきたりなデザイン: シルバーのシャーシは洗練されているが単調で角張っており、厚めのベゼルが時代遅れに見える。類似ウルトラブックの中で目立たない。
  • 平均的な音質: 上向きスピーカーはクリアだが薄く金属音が目立ち、没入型のメディアや音楽には不向き。
  • クラスにしては少し重い: 1.57kgは、同クラスの14インチ競合(平均約1.42kg)よりやや重く、超軽量性を求めるユーザーには気になる。
  • ソフトウェアの肥大化: McAfeeやHPツールなどのプリインストールアプリが含まれており、邪魔に感じる場合も(ただし削除可能)。外部ディスプレイとの接続で軽微な問題が報告されることも。

総合評価

8/10 HP OmniBook Ultra 14は、パフォーマンス志向のユーザーにとってAMDの内部構造、バッテリー、コストパフォーマンスで高い評価を得るウルトラブックです。デザインやディスプレイの平凡さで減点されますが、スピードを重視するプロフェッショナルには信頼できる選択肢です。AI生産性と長寿命が鍵なら有力な候補ですが、OLED愛好者は他を検討するかもしれません。

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