
Apple Watch Ultra 3は、Apple Watch Ultraシリーズの最新モデルとして登場しました。初代Ultraから3年が経過しましたが、既存のUltraユーザーがアップグレードを検討する価値があるのか、慎重に評価する必要があります。本レビューでは、Ultra 3の主な特徴であるバッテリー性能、ディスプレイ、その他の変更点について、日本のお客様に向けて詳しくご紹介します。
バッテリー性能:より長持ちする安心感
Apple Watch Ultra 3のバッテリー性能は、前モデルであるUltra 2と比較して顕著な進化を遂げています。AppleはUltra 2で36時間のバッテリー駆動時間を公称していましたが、Ultra 3ではこれが42時間に向上しました。実際の使用では、55~62時間、つまり約2.5日間の駆動が可能です。
私自身、軽い使用(毎晩の睡眠トラッキング、毎日60~90分の屋外ウォーキングやランニングの記録)で、スマートフォンを持ち歩くためセルラー機能やAirPodsの直接接続はほとんど使用しません。それでも、Ultra 3は安定したバッテリー性能を発揮し、週末の旅行や忙しい日でも充電器を忘れても安心です。
興味深いことに、Ultra 2の2日間駆動に慣れていたため、最初はUltra 3の低バッテリー通知(3日目の午後に表示)が気になりました。しかし、これはバッテリーがより長持ちしている証拠でした。通常は2日ごとに充電する習慣を続けていますが、追加の駆動時間は日常生活や旅行での安心感を高めてくれます。
新ディスプレイ:細やかな進化
Ultra 3のディスプレイは、Apple Watch Series 10と同じLTPO3技術を採用しています。ベゼルが6ピクセル分縮小され、視認性が向上しましたが、Ultra特有の頑丈なデザインにより、ベゼルの存在感は依然として残っています。
最も注目すべきは、常時表示モードでの秒単位の更新です。これにより、時計の秒針がリアルタイムで動き、伝統的な時計のような感覚を提供します。日本のお客様にとって、時刻の正確さは重要です。例えば、電車の時刻確認やタイマーの使用時に、秒単位の表示は非常に便利です。ただし、コンプリケーション(文字盤の追加機能)は依然として分単位の更新に留まり、ワークアウトアプリやタイマーアプリでは秒単位の更新が適用されますが、地図アプリでは適用されていません。この点は、Appleが今後改善を検討すべき点かもしれません。
その他の変更点:実用的なアップデート
Ultra 3では、5G対応のセルラーモデムと緊急SOS機能が追加されました。これらは、登山やアウトドア活動を好む方にとって特に魅力的です。日本では、都市部での使用が主でも、災害時の緊急連絡手段としてこの機能は心強い存在です。
S10チップは前モデルのS9と比べて体感できるほどの性能向上はありませんが、日常使用では十分なスムーズさを提供します。充電速度も0~80%まで45分(従来は60分)とわずかに向上していますが、旧型の充電器を使用している場合は違いを感じにくいかもしれません。
総括:価値あるアップグレードか?
Apple Watch Ultra 3は、初代UltraやUltra 2から大きな飛躍はありませんが、バッテリー駆動時間の延長と常時表示ディスプレイの秒単位更新により、より快適で信頼性の高い体験を提供します。これらは、日本のユーザーが重視する正確さと実用性を高める要素です。
価格は799ドル(日本では約12万円)と高額ですが、2年前のUltra 2を下取りに出すことで、約350ドル(約5万円)の割引が受けられ、実質負担は約450ドル(約7万円)となります。毎日使用するデバイスとして、2年以上使用することを考えると、この投資は妥当といえるでしょう。
しかし、既存のUltraユーザーが新しいディスプレイやバッテリー性能に強い魅力を感じない場合、アップグレードを急ぐ必要はないかもしれません。Apple Watch Ultra 3は、信頼性と細やかな進化を求める日本の皆様にとって、価値ある選択肢となるでしょう。





